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オーブにスカウトに行った日 2

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「超小型ミサイルだけでは不安なんだよ」

「いや、その前にそれだってそうだし……何よりなんで玄関脇にバ

リアント付けなきゃなんないの!?

「要るんだよ、そう言う事も。苦労したんだぞ!90度×180度

全方位精射可能にするのに」

 

 

「僕は要る要らないの話をしてるんだけど…」

「バリアントはピンポイント攻撃には便利なんだが、いくら出力を

抑えても、チャージサイクルにどうしても問題が出るって、ラミア

ス艦長も言ってたんだ」

 

「……………。僕の話、ちゃんと聴いてる?アスラン!」

 

「聴いてるよ!連続攻撃時間が限られる上に、設置式ミサイルでは

死角が出るって言うんだろ!ほら、手を止めるなって!その為にプ

ログラムは全部キラに任せてるんだから」

「もうバグ取りに入ってるよ……って、違うってアスランっ!!!民家

に武装は要らないって話してんの僕は!

 

 

 外でこっそり聴いているデュランダルは、訳がわからなくなって

きていた。そこへ女性の声が乱入してきた。誰かが部屋に入ってき

たようだ。

 

「でも、やっぱり役に立っているのだから、仕方ないんじゃなくて?

キラ君」

「そうですわ。これも全てキラ、あなたの安全の為なのですから」

「………。それ、前々から訊こうと思ってたんですけど、どうして

ラクス達じゃなくて、僕のためなの?」

 

 

 重苦しい沈黙を破ったのは、アスランだった。

「多いんだよ、最近……」

「何が?」

 

「「「痴漢!」」」

 

 三者の声が見事にハモった。ところが………、

 

 

「えっ!ラクスに痴漢?そりゃ困る……」

 天然君は全く判っていなかった。そして窓の外で、デュランダル

がアクロバットしながら、超小型ミサイルを避け続けている事にも

気づいていなかった。

 

 

「わたくしではありません!キラにですわ!」

「そう!こんなスタイルの良い女性陣には目もくれずに、キラ君の

ストーカーされちゃぁねぇ…」

 マリューがため息をつく。

 

「マリューさんのブラを投げ捨て、私のブラを見ながら「違う…サ

イズが違う」なんてブツブツ言われては不愉快ですわ!」

 

 

「……………え……?」

 

「つまり、お前は女の子だと思われてるんだよ。キラ」

「アスラン……?」

「お陰で俺も酷い目に遭ってるんだ」

「……なんで?」

 

「俺とお前でよく出かけるだろ?キラの方が身長5pくらい低いだ

ろ?」

「悔しいけどねッ」

「キラ?お前まだ判んないのか?」

 

「だから…何が?」

 

 

「つまりね、あなた達二人が歩いてるとカップルだと思われてるっ

て事よ」

「うそーーーーー!!!!!だって、僕にはラクスが居てくれるのに」

 

 

「残念ながらキラ、それでは”お姫様と従者”なんだよ……」

 

 

 アスランのセリフに腰を抜かした人が居た。何を隠そう汗だくに

なって、襲い来るミサイルを避け続けているデュランダル議長その

人だ。

 

(し…知らなかった!!!)

 

 

「じゃ…じゃぁ、最近僕の着替えがよく無くなるのって……」

「ああ。”俺の”だって思われてるだろうな。居るんだよ、目的の

娘の下着は別の誰かに盗られてしまったと思って、腹いせに彼氏の

着替えを盗んで捨てるヤツが!」

 

「そんなぁ……」

「俺だってとばっちりだよ。街を歩けば知らない男に睨まれるし、

郊外では銃弾飛んでくるし、カガリには「護衛が狙われるなんて」

とからかわれるし」

 

 

「アスランまで!?僕のせいで…。戦争が終わって、敵対する事もな

くなって、これからもずっと友達でいられると思って、嬉しかった

のに……。もう二人で買い物にも行けないのかな?」

 

 

 落ち込むキラをラクスが励ます。しかしそれは思いきりピントが

ずれていた。

「だからですわキラ!キラの安全のために、24時間全方位自動迎

撃システムを構築しているのです!

 

 

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