Please sit my side.

番外編・捨てる神拾う神<リクエスト駄文>

 

最終話 「コレを…俺にどうしろって言うんだッラクス〜〜〜〜〜っ!」

「キラ?正直に言って。キラはどうなの?ラクスだから、安心できるとは思うけど…」


 確かに、いかがわしい会社ではない。それどころか彼女は有名なデザイナーだ。



「ふ…服飾モデル……なんですよね?」

 キラがラクスに聞く。ラクスは自分がクライン企画の社長であることをあっさり告げた。



「クライン…って、あの超有名ブランドの?」


「はい。大変申し遅れましたね。わたくし社長のラクス・クラインですのv」

 その地位にキラはアッサリ折れた。そんな機会は一生ないと思っていたから。



 話が大方まとまると、ラクスは異常に上機嫌でザラ邸を去っていった。別れ際も、キラに向かって契約書は後日持ってくると彼女の手をがっしりと掴みながら。





 嵐のような時間が過ぎ、その場に残された者は5分ほど無為に過ぎた頃改めて我に返った。


「こ…怖かったよ……アスラぁン〜〜〜」



 キラが泣き付くのも無理はない。


 誰しもまさか、彼氏の実家に行き、本来の見合い相手に裸にされるとは思わないだろう。



「ごめんね。本当にキラをここまで怖がらせることになるとは思っていなくて。でもラクスには厳重に言っておくから」


「ううん。実はラクスさんに会えて、すっごく嬉しかったんだけど……とにかくびっくりしちゃって…」





 アスランがキラの身体を抱き込んだところでレノアに背中を押され、アスランの部屋に押し込まれてしまった。

 ところがそんなことをされても、この騒動の余韻が残っていて、何かするどころの騒ぎではなかった。





 後日、ザラ邸にとある小包が届いた。

 アスランが送り主の名前に不審がりながら中を空けてみると、なんとまぁ色っぽい下着の数々で文字通り飛び上がった。


<今回の撮影で、キラさまに着ていただいた下着ですの。お二人でご存分にお楽しみになってv>



「コレを…俺にどうしろって言うんだッラクス〜〜〜〜〜っ!」





 その2ヶ月後、クライン企画から異例とも言える下着が発売になった。


 でもって雑誌のモデルはほとんどキラなわけで。

 大胆な宣伝文句が書いてあるわけで。



<今年の流行は、エロ可愛い!カレに魅せる、エロプリ!>



 久しぶりのアスランの休日に会わせて遊びに来ていたキラが、隣で泣いていた。

「ラクスさんの服着られるのはいいけど、僕…もう外歩けない〜〜〜〜〜ッ」





 キラの着たデザイン下着はどれもヒットし、あのモデルは誰かとあちこちから問い合わせが殺到し、クライン企画は嬉しい悲鳴を上げることとなった。

 逆にキラを自主退職に追いやった会社は、歯がみして悔しがったとかいなかったとか。





「すまんキラ!俺がヘマしたばっかりに…」


 その手紙には追伸も付いていた。



<あ、そうそうキラさま。次は結婚式用の新作カラードレスを着ていただきますわね。ぜひアスランとのお式の参考になさってv>





「キラぁ?この専属モデル契約の終了日、いつ?」

「終わりはないですわっ…て、サインした後に言われた」


「……………え”…!?」



 それはラクスからのとんでもないお祝いメッセージだった。彼らの知らない社長室でラクスは目論む。


「ああっ、キラさま…早く結婚して、妊娠なさってお子さまを作られないかしら〜〜〜。そしたら、ウェディング・ドレス、マタニティ、ベビー服、普段着、入学式用スーツからそれこそ子供服まで、ありとあらゆるデザインが一気にできてしまえるのに〜〜〜」


 などというラクスの黒念派に、局地的にくしゃみが止まらなくなった場所があった。


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言い訳v:いかがだったでしょうか?気に入っていただけるといいんですけど〜(ドキドキv)ちなみに、2006年秋からの流行は「エロかわ」だそうですが、この話実際夏に書いたし、「エロプリ」のほうが単に響きがよかったので、修正しませんでした。ま…所詮パラレルだし〜(口笛)

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