Please sit my side.

 

最終話 「好きな相手だから欲情もするしエッチだってしたい!!」



「え?じゃぁ、キラ・ヤマト…って……」

「知らないよ!なんでも写真がね、似てるんだって」



 キラはむくれている。しかし、写真照合じゃ、どう考えたってこれはキラの記憶が戻ってないだけなのだろう。

 確かに、年が若く健康なので退院も近い。しかし、これでは実家に帰ったところで、彼女がパニックになるだろう事は容易に予測がつく。





「他には?何も思い出せない?」


「うん。アスランにつけてもらった名前だけ……」



 しばらくう〜んとうなり、そしてアスランはひとつの案を提示した。


「ね、エミリア。俺たちやっぱ本気で付き合わない?」



「え………っ?」

「エミリアが、俺のこと嫌いになってないんだったら」


「嫌いなんかじゃない、けど…僕、今朝ひどいこと言ったばっかで……」


「そんなこと関係ないんだ。あのねエミリア、実を言うとエミリアの退院が近いんだ。そうなると、家族が判ったわけだし、エミリアもヤマトさんの家に戻らなきゃならない。でも今のエミリアにはそれは無理そうだよね」


「そんな……」



「後はリハビリテーション通院だけなんだ。だから、エミリアの記憶が戻るまで、俺と暮らさない?…とは言っても俺だってほとんど家には帰れないけど、やる気がなかったらこのまま歩けなくなる可能性だってある。それは、嫌だろう?」



 キラはひたすらぽかんとしていた。



「今の君には酷かもしれないけど、俺だって記憶が戻って普通に暮らせるようになるのに協力するよ。できる限り帰ってきて、リハビリに付き合うから」


「アスラン…」


「キラ…」

「えっ?」



「キラ。これが君の本名だからね。大丈夫、一時的に思い出せなくなってるだけだから。本当はちゃんと思い出せたほうがよほど幸せなんだ。キラのご両親だってすごく心配してる。だから、少しずつでも思い出すまで…ね」


「判った。ごめんねアスラン。よく考えたら僕アスランに迷惑ばっかかけてるね。わがままだよね」



「本当はね、わがままを言ってるのは俺のほう。ね、キラ…ちゃんと、キスしていい?」


 突然の申し出にキラは、沸騰したやかんのように顔を真っ赤にさせ……そして、ゆっくりとうなづいた。


 深く重ねられる唇に、何も言えなくなって、せめてもとアスランの首にその細い腕を回して答える。二人の顔が離れていったとき、つうと名残惜しいかのように光るものがあった。





「本当言うとね…僕もアスランのこと好きで……でも、別れるのが怖かったから…」


「何も言わないで。ただ、俺のそばにいて、キラ。それだけで…いいから……」

「ぅん…」





 そうして、問題の同居の件は、ヤマト夫妻は大反対したものの、キラが駄々をこねてまるで話にならなかったので、渋々…というのか、時間の流れとともに自然にそうなった。





 数日後。

 さすがに日の光が差し込んでまぶしいので、キラは強制的に睡眠を妨げられることになった……のはいいが、どうもいつもと様子が違う。

 まず…強烈に身体がけだるかった。

 そして、ベッドサイドに置いた時計を見ようとして、身動きが取れない……イヤ正確には背後から抱きしめられ、挙句の果てには身に覚えがないのに素っ裸……さらには後ろから回された大きな手が自分の胸をつかんでいるという有様に、声を上げることもできずに固まってしまった。


 すると、キラのわずかな動きに気づいた真後ろの人物から声がかかる。



「あ、キラ…おはよ」


 もぞと動けば自分の身体が何かに当たる。背後の人…アスランも同じく真っ裸だということにいやおうなく気づかされた。


「ゃ…っ」

「よく眠れた?」


「あぁああアスラン!何でここにッ」



「う〜ん…そんなこと言ったって、ここは俺のマンションだし…唯一これしかない俺のベッドだしv」


「お…起こしてくれたって……帰ってきたんなら、声かけてくれたっていいじゃん!それに……ッ」

「それに……?」



「何で僕もアスランも何も着てないの?僕確かちゃんとパジャマ着て寝たはず……」


「あ、ごめんキラ。つい…可愛くって……」

「ついじゃな…ぁッ!」



「ん?何?俺昨日結局キラとはシてないんだけど……?」

「な…っなんか……なんか、後ろ……っ」


 アスランははじめて気がついた。



「ああコレ?そりゃぁ俺だって実に健康的なオトコですからv」

 アスランが身じろぎすると、ソレはキラの細腰に当たってキラを恥ずかしがらせた。



「ゃん!そ…それよりも、手…どけてよ……」

「あ…ごめんね」


 そういいながら遠慮なくキラの胸を揉んで離した。キラが真っ赤になっているのを、アスランは楽しんでいる。



「う〜僕、いつの間に…」


 落ち込んでいるキラにアスランが言葉をかける。しかしそれはあまりフォローになっていないような気がした。



「やっぱ覚えてないんだ?久しぶりに帰ったら、キラすっごい色っぽい感じで寝てたから、邪魔する気はなかったんだけど…キラの方からお帰りとか言ってくれて……寝ぼけてたんだね、それって……」

「そんな…」



「でも、結局キラとはシてないんだよ。キラ…すっごく色っぽかったから、起きてるのかな?とか思ってちゃったんだけど、結局前戯の途中でイっちゃって寝ちゃったし…まいっかと思って……」

「アスラン…」



「でもキラの身体…気持ちよかったな〜」

「アスランッ!!!」


 キラは真っ赤になって怒ったが、あまり迫力はなかった。



「だってキラ…俺キラの事好きでたまんないもん。正直、キスも萌えるけどそれだけじゃ物足りない!」

「え?」


「こうやって身体に触れたり、抱きしめたり…好きな相手だから欲情もするしエッチだってしたい!!」



「……………………」



 アスランはそのままキラの身体を180度回し、わざと自分のほうへ向けさせた。小さすぎないキラのふくらみがアスランの視界に入る。そのことにキラは真っ赤になったまま、うつむいた。



「キラは俺とこんなことするのは…嫌?」


「恥ずかしいよ…」

「そう思うってことは、キラも俺のこと好きなんだね」



 そう言ってアスランはキラの身体を抱き寄せ、彼女の可愛い唇をふさいだ。


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言い訳v:すんませ〜ん!問題の微エロ…実はこの話なんです。え?そんなにエロじゃない?いやぁ〜ん(冷汗)苦手ですから……。

次回予告:この話は勢いのまま書き殴った『〜2』に続きます。時間軸はキラに両親が会いに来たあたりからです。気が向かれましたらそちらもドウゾ♪

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