主人不在型ストレス症候群

【本編】離婚の危機!?



<第6話> 「キラ……」

 

「キラ…どうしてだ?俺、辛いよ」


「うん、ごめん。アスラン」



「キラ…」


「僕の、せいなんだよね。僕がもっとちゃんと、自分に厳しくしてれば……」

「それは違うよキラ。キラは悪くないよ。全てはイザークが…」


「大丈夫。気を遣ってくれなくても、僕は大丈夫だから…」


「ごめん、キラ」



「この夏だけだって事だし、状況によってはどうなるかわかんないけど、僕…少しずつ頑張るから。だからアスランも、ね?」



「判ったよキラ」



 キラの必殺上目遣い攻撃「お願いアスラン!」

 今回もこれにあえなくノックダウンしてしまったアスランだった。










 そして話は恐ろしいほどにトントン拍子に進む…ハズだった。


「くぉらぁあああああッ!出せー!ここから出せぇ〜イザァアアア〜クーーーッ!!!」



 翌朝からアスランの絶叫が響きわたった。しかも、ガッシャンガッシャンけたたましい音を立てながら。

「うるさいッ!少しは静かにせんか!迷惑だろうが」



「やかましい!なーんーで、病室なんだ!何で俺が入院なんだ!そして…何より、何でこの部屋は鉄格子なんだッこれじゃ出られないじゃないか!」





 そう…そこは申し訳ないが精神科特別病棟の病室だった。


 壁が厚いせいで隣室からの物音はほとんど聞こえないが、それでも夜中にかすかにうめき声とか聞こえてきたりすると、ちょっとしたホラーを体感できる。





「これでも優遇してるんだ。感謝しろ」

「何が優遇だ!これのどこがキラのためなんだ!この部屋どう考えても留置場だろ!」


「まぁ、そう思われても仕方はないな」



「騙したなぁあああっイザーク!」


「何故俺が貴様なんかを騙さねばならんのだ!よく見てみろ、廊下の向かいは俺の研究室。そしてここは大学病院の敷地内。でもってすばらしいことに、室内に電話はあるし、パソコンもある。キラちゃんが面会に来れば必ず会えるんだ。文句はなかろう」





「よくそんなことを涼しい顔で言えるな!このマザコンこけし」

「へたれ変態が何をほざくか」


「どうせお前のことだ。キラと会えるって言っても条件付だろう!」


「安全な施設でボディガード付きだ。予算かかってるんだぞ」



「イザーク…ソレ………ブタ箱面会室で監視付って言わないか?」



「すばらしい理解力じゃないか。さすが教授サマだ」

「くっそぉぉおお!覚えてろよ…」



「忘れる」







 などという会話があったことも知らないで、キラは早速一人の時間で困っていた。

 呼べど叫べどアスランは来ない。

 講義中以外はしょっちゅうかかってきていた電話やメールもぱたりと来なくなっていた。



「アスラン…今、どうしてんのかな……」





 ジュール先生は特別待遇で、病院内の特別室を用意してくれるって言ってた。


 環境もいいし、セキュリティーもしっかりしているらしい。



 そして何より嬉しいのは、電話やメールが止められるわけじゃないし、面会だって自由。医師の判断付ではあるものの、キラが望めば外泊だって可能だって事だ。


「電話しよ」

 キラは早速電話をかけてみる。するとすぐにアスランは電話に出てきた。


「キラ?どうしたの」

 アスランの別にどうって事もないいつもの声でキラはホッとした。



「良かった。ちゃんとアスラン出てくれた」

「俺がキラからの電話に出ないわけないだろ?」


「うん…」



「どうしたの?少し元気ない?」


「うぅん、違うの。僕ね、一人でもちゃんと家のことできなきゃいけないって、そう決心したんだけど………あ、朝って、えと…ご飯をつくって、お洗濯して、お掃除して…何してたっけ?」


「…キラ?」



「だっていつもアスラン手伝ってくれてるから…わかんなくなりそう……」


「キラ……」


第7話へ→
*husbandlesstype*stress*syndrome*husbandlesstype*stress*syndrome*husbandlesstype*stress*syndrome*
言い訳v:キラ馬鹿をシリアスで書いてみるとこんな感じでしょうか?え?違う?
次回予告:アス×キラと、アスvsイザ

お読みいただきありがとうございました。ブラウザバックでお戻り下さい。