こういう時、こういう下らない話題に限ってとっても頼りになる男を、イザークは昼休みにこっそり携帯メールで呼びつけた。

”暇でなくても来い!”と。


 短い呼び出し文で呼び出された男は、携帯のディスプレイを見た瞬間苦笑しながら「へいへい…」と呟いたという。





「どういう事だディアッカ!説明してもらおうじゃないか」


 と言うイザークの目は据わっている。朝から執務室に来る人たちに、漏れなくからかわれたからだ。


「僕も知りたいっ!」

 と、イザークの机の下からキラもひょっこり顔を出す。


「ありゃ?お前そんなトコで何遊んでたんだ?」

 ディアッカの疑問ももっともだが、それ以前に。


「もうなんだかみんな変で、どこ行っても何にも出来ないよぉ〜〜〜」

 と泣き言が入る始末。いや、なぜかって。


「気を取り直して、キラを士官学校舎に行かせたまでは良かったんだ。それが何で!迎えに行けばおめでとうございますの嵐、廊下を歩けば式はいつだの届けはいつだの、仕事とはまるで関係のない訳の判らん話ばかり!」



 というか。

「いや、俺もあいつらと同じこと思ってたんだけど?」


「同じ事って?何がどうなってるの!僕にもイザークにもサッパリなんだけど」

 などと言われて、ディアッカはここに至ってやっと違和感を感じ始めた。





主な夫と書いて主夫!しゅふ!

第22話   悪巧みに荷担する者





「つか…最初から確認するぞ」

「うん」

「ああ」


「とりあえずお前らマジで付き合ってんだろ?」

「「………は?????」」

「え?付き合ってんじゃ無かったの!?」

 と、大前提を訊かれて初めて思い出す。そ・う・い・え・ば!!!



「あぁあああぁぁぁあああっそうそう!実はそう!そうだったんだよっ僕とイザークはね…」


「………キラ?」

「ん?」


「おま、こういう時嘘つくの下手だよな〜〜〜」

「うぅううっうるさいっっ」



「俺たちとお前達の間には、何かとんでもない勘違いがあるみたいだから、最初っから確認するぞ。俺たちはお前らが付き合ってて、昨日ついに一線を越えたと思ってる。そうなれば結婚秒読みだってな」

「は…はっ、は………破廉恥なッ」



「イザーク、お前に好きな女の子が出来たとするだろ?お前に二股三股や不倫、ヤリ逃げに当て馬なんて武勇伝できるか?」


「ディアッカァアアッ」

「あぁあ〜…俺が必ず責任取ってやる!っていうタイプだもんねぇ〜」



「たとえキラのことはよく知らないにしても、ここんとこ毎日のように手つなぎ送り迎え、執務室の行き来、ましてやイザークの部屋にお泊まりが多けりゃ、誰だって考えるだろ?そーいう関係までオッケーな仲なんだ…ってな」


 顔を真っ赤にさせて小刻みに震えている純情白服(♂)を放置して置いて、キラはひたすらディアッカの推理に感動していた。


「なるほど〜〜〜。やっと判ったよ!ありがとうディアッカwww」

「どいたしまして。………で?本当のところはどうなんだ?」


「だっダメだ!こここここれは、国家の重要機密に関することで……その………例えディアッカでもだなぁ〜〜〜〜〜」

「………なんてどもるからバレちまうんだよイザークは!」





 ややあってキラが口を開いた。確かにこの流れじゃ、ディアッカならずとも何か感づいてしまうのは当たり前のことだろう。


「………本当に秘密の作戦なんだ。誰にも言わないでくれる?」

「もちろんだ。キラとダチの頼みだからな」



 次に驚愕するのはディアッカの番になった。

いいわけ:この状況でディアッカが都合良く鈍チンな筈はありません
次回予告:世界が動く時!



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