・朝は一人で起きる。着替えは自分で用意し、自分で着る。
・ZAFTのIDと使用方法、および使える範囲。
・食堂の位置と、食事の注文の仕方、食器の使い方、食後のトレイは返却口へ。
・水分は常にこまめに摂ること。お茶は食堂で貰ってくるか自分で作る。
・制服は1ヶ月以内にまめに洗濯すること。ランドリーの使い方。
・バスルームの位置と入り方、アメニティの使い方、入浴時の危険行為について。
・生活における危険行為と対処の仕方。電化製品や暖房器具などの正しい取扱方法。
・室内の清掃について。簡単な掃除器具の使い方。菌とウィルスの知識と対処方法。
・症状が出た時の対処方法、救急の呼び方、待機時の患者への接し方。
・給料の振り込みとATMの操作方法。士官のエレカタクシーの使用規制緩和についての注意事項。
・休日は自由に遊びに行って良し。但し、買い物をしたら必ずレジで精算を済ませて荷物は自分で持って帰ること!購買行為の手順。





主な夫と書いて主夫!しゅふ!

第16話   天才キラ・ヤマトの華麗なる生活メモ





 ………等々、キラが日常的に持って歩く紙の一枚には、こんな感じでとんでもない私的メモになっていた。その各項目に、細かい手書き文字でさらに細かくメモが書かれている。イザークの話をすぐにキラが覚えられなくなったからだ。

 ついでにその当時、当然イザークは「何でこんな簡単なことを覚えられないんだ!」と怒り、たびたびキラを泣かせた。





 そして、数日もしないうちに当のキラは、ラクスの執務室に投げ込まれたのだった。

プログラムとMSの操縦以外まるでダメ子の、一通りの日常のアレコレについては自分が引き受けますが、女性特有のことについては私には責任が持てませんので、ラクス嬢にお任せします」



 無論……………ラクスは放り込まれた餌(キラ)を見て、狂v喜v乱v舞した。

「まぁっ!嬉しいですわ!嬉しいですわ!わたくしにもお役に立てることがまだこんなにもあったのですね!!!ええ、もちろん喜んでお受けいたしますわッ!キラ、安心なさってください、わたくしがイザークでは教えられないオンナノコのアレコレを手取り足取り腰取りすべて、いえそれ以上もすべて伝授いたしますわッッッ!!!!!!!」


「……………?」

「あ、もちろんキラの最終的な自立を全力で支援いたしますっ」



「ご………ごめんね、ラクス……。イザーク、僕の下着見ただけで真っ赤になって部屋から出てっちゃって……」


 忙しいはずのラクスを、さらに忙しくさせてしまうことは判っている。こんな普通のことすら出来ない自分は、確かにみんなのお荷物なんだなぁという自覚が、ようやく出てきたところだ。喜ぶラクスを疑問に思いつつ、キラはひたすら平身低頭状態だ。



「いいえ、いいえ。良いのです。身体が女の子へと変化する大事な時期から、ずっとアスランの余計な介入を受けていたのです。本当なら、ちゃんと出来ていなければならないことや、知っておかなければいけない知識がキラにはありません。それはとても残酷な事実です」

「………は、ぁ……?」


 そうだ。キラは、一般的な女の子として当然持っていなければならない知識、メイク用品や女性物の私服など、女の子グッズの選び方や購入の仕方すら知らない。



「分からないのも無理はありませんわ。あの激動のさなか、とても特殊な環境に長期間いたキラ。無理矢理戦わされたキラ。重要な知識を学ぶ暇はありませんでした。だって今のキラには、避妊の知識すらありませんでしょう?」


 その単語はキラの頭を混乱させた。

「避妊………って、ナンデスカ???」


 目が点になったキラを見て、ラクスは大声を上げ泣きながら執務机に突っ伏した。そしてキッチリ5分後、目をギンギンに充血させて、鼻息も荒くラクスは袖をまくって拳を振り上げた



「ご安心下さいませッ!すべて、全てこのわたくしが必要以上にみっちり教授して差し上げますわ」

 必要………以上は要らないのではと思ったが、キラはとりあえず頷いておいた。





 ……………で、勤務時間を使い、勤務に全く関係ないオンナノコの話を怒濤のように受け、帰ったキラが真顔でイザークに頼んだこととは、


「僕にコ●●ームの使い方教えて!」


 で、至極当たり前の話、あのイザーク・ジュールを1時間以上固まらせた

いいわけ:キラのトンデモ発言はいつ書いても楽しい^^
次回予告:人身御供



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