MS戦隊オーブ5
第5話:出撃!MS戦隊オーブ5!!
カチャ…。サラサラサラ……トポン…。 見事な庭園。午後二時、今日はよく晴れている。遙かに見えるオーブの海は今日も綺麗だ。 「やっぱりラクスの淹れてくれるお茶はおいしいねv」 「まぁっ!ありがとうございますキラv」 パリ…ポリ……もしゃもしゃ。 「ラクス!そんなにべったりキラにすり寄らないでください!」 「まあ、あなただって同じようなものでしょう?へたれさんv」 「あなたもしつこいですね〜〜。何度言ったらわかるんですか!へたれと呼ぶなと」 ごっくんvひょいひょい…パリパリ……。 「ひどいですわ!キラ…アスランがか弱いわたくしを責めますのよ〜〜」 「アスラン〜、ラクスをいじめちゃダメだよぉ」 ボリボリボリ…。 「こらっ!キラ!お前まで認めるのか?」 「アスランは確かに時々へたれちゃうけど、すっごい優しい僕の大事な友達だって、僕はよくわかってるよv」 「キラ…お前もう少し考えて言え………」 「ん〜?僕何かヘンなこと言ったかな〜?」 「…………………」 卓上にいつも複数の手が伸ばされては戻されていく。その回数とともに、皿の上に盛られたお菓子が減っていった。 「しっかし、おいしいっすねぇ…」 「ありがとう。シン様」 「あ…っ!ラクスさんっシンで良いです!シンで」 「まぁっvではわたくしのこともラクスとおよび下さいvシン」 「はいっありがとうございます」 シンの隣でルナマリアが少々ふくれている。 「あ、大丈夫ですよルナマリアさん。わたくしが虎視眈々と狙っているのはキラだけですから」 微妙に黒いラクスの言い回し。 ルナマリアはラクスを絶対に敵に回してはならないことを思い知った。きっと、あの戦争で負けたのも、ラクスを敵に回したからだろう。 ZAFTはなんと愚かなことをしたのだろうか。今更ながらに悔やまれる。 「キラ、お茶のお代わりはいる?」 「うん。このお茶おいしいよね〜。僕ね、ラクスのとこにいたときから、紅茶党になってしまって…」 「キラらしいよ。じゃ、俺が淹れてあげるね」 「……………。ラクスさん……」 ルナマリアは言葉を発せざるを得ない。ふつふつと彼女の中で沸き上がる不条理感と懐疑の念。 「はぃ?」 「一つ聞いても良いですか?」 「はい。何でしょう?」 再びルナマリアは、イチャコキ続けるアスランとキラに視線を向ける。 「諦めた方がいいんじゃないですか?あの二人…もう終わっちゃってますよ?」 何が…?人生がだ。 「問題ありませんわ。わたくしとキラはちゃんと心がつながっていますものv」 どこが!一体この光景のどこをどう見れば、そう言う解釈ができるのだろうか? 世界が絶賛するラクス・クラインの幸せそうな笑顔を間近に見ながら、ルナマリアは溜息をついた。 そう。彼らはアスハ邸の美しい庭園で、ラクスお手製のお菓子をつまみながら、お茶の真っ最中だった。 ゆっくり流れる時間。平和な空間。 野鳥とトリィが戯れ、ハロが周りを飛び跳ねている。 「アスラン。僕は幸せだよ」 「キラ?」 「だって、君とずっと一緒にいられて…ラクスやみんなともずっと一緒にいられて……こんなに平和なんだもん」 「そうだな。俺たちにはこんな時間が必要だったんだ」 と言いつつ、キラの額にまたぶっちゅ〜〜〜と押しつけられるアスランの唇。 「きゃはは!くすぐったいよぉ」 「こんな幸せを、世界の人々にもお裾分けしたいよな」 こんな幸せ………大親友と口では言いながら、朝から晩までびたぁ〜〜〜と貼り付き、事あるごとにイチャイチャするような生活を「お裾分け」されて、果たして何人が幸せを感じるのだろうか? ぽかんとする人たち、眉間に青筋を浮かべる人たちを無視して、二人だけの世界は着々と作られていく。 ((((それを不毛だって言うことに、いい加減気づけよお前ら……)))) 「そうだね。じゃぁ、とりあえず何か情報が入っていないか、ミリィに聞いてみよう」 そしてキラは携帯電話を取り出して電話をかけた。 「あ、ミリィ。僕だけど、まだ何か情報は入ってない?」 時間の経過とともに、キラの表情に変化が見られた。ピッと音をさせて電話を切るとキラはみんなの顔を見渡す。 「アジアの…日本って言う国の東京って都市で暴動が起きてるんだって!」 見る見る間に青ざめるキラ。 「キラ、大丈夫だから。そのために俺たちがいるんだぞ」 「と言うことは隊長…早速出撃でありますか?」 事態は一瞬にして緊迫し、にわかに騒がしくなった。キラは、アスランにすがって震えた。 第6話へ→ <!”#$%&’()〜><!”#$%&’()〜><!”#$%&’()〜><!”#$%&’()〜><!”#$%&’()〜><!”#$%&’()〜> 言い訳v:え?全然出撃してないじゃないかって?だから…ティータイム=活動=出撃……わ、判りにくいっ。 次回予告:カガリがなぜ5人戦隊モノにこだわったか?その理由があかされます。次回!カガリの見た白昼夢。 |
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