MS戦隊オーブ5

 

第4話:団結までの遠い道のり

 



 
う…うぅ〜〜………んん……………。


 それは美女でさえ出せないのではなかろうかと言うほど
なまめかしい声。簡単に言えば、色っぽいの一言につきる。約一名以外慄然となった。





「あ…キラぁ……おはよvよく眠れた?」


((((オカシイよ!アンタ絶対…オカシイよ………))))



 周囲全員の思い。

 彼らの視線の先にはアスランが、キラを抱きかかえたまま、まるで
最愛の恋人に向けるような穏やかなほほえみを、惜しげもなく注いでいた。





(百歩譲って
大親友でも…フツーそんなことしないから!)



「うん。アスぅ…今、何時ぃ……?」

 寝ぼけたまま答えるキラ。相変わらずやたらめったら
色っぽさ全開のキラ。


「8時半。ほら…キラももうちゃんと起きなきゃダメだよ」

 アスランはほほえみを崩さないまま、
キラの額にぶちゅーと口づける。


「うん。そうだね。ごめんね…僕、朝弱くて……」

「大丈夫。そのために
俺が側にいるだろ?」

「うん」





 ソレは…もはや幼なじみの会話ではなかった。

 まかり間違っても、大親友に向けるセリフですらない。気づいていないのは本人たちだけ。

 そこは
ハートマークが乱舞するほどラブラブな空間だった。





「でね、キラに大事な話があるんだ」

「え?大事な話…?いますぐ?」

「うん。今すぐ」


「アスランまた僕に黙って話を進めてたでしょ!もう、君の話はいつもドッキリなんだからぁ〜〜」


 
薔薇の花とハートマークの乱舞するこの空間。周囲の寒い空気など、二人は全く気づいていない。


「しょうがないよ。キラ…今までずっと寝てたんだから」

「あ、そっか。ごめんね。つい……気持ちよくて………」



 全員は直感した。
お前ら……絶対結婚できねぇよ………と。





「ここ、行政府だよ。わかる?」


「ん〜ホントだ、カガリがいるぅ。あ、ラクスも〜マリューさんも〜…ってアレ?え、えっとぉ…ぉ?」



「シン・アスカです!」

「ルナマリア・ホークですっ!」


「あ、そうそうvシン君にルナマリアさんだぁ。ねぇアスラン?何でみんなここにいるの?」

 キラはほわりとアスランを見つめる。その空気にシンは固まり、ルナマリアは絶句した。



「カガリがね。まだ世界で起こってるいざこざに頭を痛めてるって言うんだ。それでね、俺たちでなんとか出来ないかって」


「あ!それは良いねぇ!やっぱり同じ人間だもんね〜ケンカは良くないよ。平和なのが一番だよねー」

「そうだよ。俺たちは誰よりも戦争が辛いことを知ってるからな」


「うん。だって戦争してるときは、友達の君にだって会えなかったんだもん。すっごく悲しかった」




 そしてカガリの口は締まらなくなった。


(友達!?
そこまでイチャイチャしときながら、キラ…まだ友達の感覚だって言うのか!)



 ソレは………どこからどう見ても…
「夫婦」の間違いだろう!心の中のツッコミも、アスランとキラ発する薔薇のオーラに阻まれて、口にすら出せない。





「だから、俺たちでみんなを幸せにするため、お手伝いをするんだ。いい話だろう?」


 そして当のキラはアスランの誘導に見事に引っかかり、ぽやぽやした雰囲気のままコロッと騙されていった←ようにしか見えない!


「そっか!カガリも色々と大変だけど、ちゃんと僕たちのことも考えてくれてるんだね〜〜〜。僕、頑張るね!カガリだってこんなに頑張ってるんだもん!僕だって頑張る!」

「そうだ。俺たちだって、影ながら役に立つことだってできるさ」


「うんっv」



「それでね。チーム名がまだ決まってないんだ」

「だからアスラン!それは先程私が…」

「センス悪すぎるから却下だって言ったろう!」

「くどいな!MS戦隊オーブ5で良いじゃないか!」

「……………」



「な、キラもそう思うだろ?」

 ここだけ妙に双子にすがるカガリ。しかし、彼女の期待は簡単にうち砕かれることになった。


「僕はもうちょっとソフトな感じがいいなぁ。
『みんなで幸せになり隊』なんてどう?」


「それじゃ目的がわからんだろう…」





 そして…みんなの案が出されることになった。


『アスラン・ザラの平和維持軍』

『ラクス・クラインと下僕たち』

『マユの気持ちを風化させない会』

『プリンセス・ルナと愉快な仲間たち』

『ロアノーク夫妻とお付きの方々』

『マリューお姉さんの国際救難隊』

『ミリたん with 平和海外協力隊』

『アンドリュー率いる三軍連合』





「あ〜〜〜〜〜もうっ!お前たちだって似たようなもんじゃないか!良いんだ!MS戦隊オーブ5で行くぞ!」



「そんな!権力の濫用だ!」



「もう決めた!」


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言い訳v:民法第1条に「権利の濫用は、これを許さない」と言うのがあります。「〜してはならない」ではなくて「許さない!」ですよ?ちょっと大笑いしました。

次回予告:ここだけどこか異世界空間だ。そんな彼らに緊急通信が入る。次回!MS戦隊オーブ5、その活動実況。

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