ふぁみりぃ☆ぱにっく 3
読み方:文字色黒→地の文、文字色灰色→ツッコミ

今日もキラのパタパタと忙しそうな音が聞こえる。
生き物に土日祝日などない(当たり前だ)。お手伝いさんに手伝って
作ってもらったエサの容器を大きなトレイに入れてリビングへ運んでくる。
(おかげでザラ家は毎日戦争状態だ)

ニュースを見ていたが慌てて彼女からトレイを受け取ると、
キラはアスランの大好きな微笑みを彼に向けた。
(でも手は出せません。これは一種のヘビの生殺し状態)
「ありがとうアスランっ」(←アスランメロメロ)

「大丈夫。みんな家族だからね、ご飯の用意はこれで整ったの?」
(相当無理しているようですが?アスランさん?)


「うん、後はケンカにならないように種類ごとにあげるから。
あ、シン(ムササビ)とラクス(ピンクのインコ)には先にあげておいたから、
今頃ハウスとケージでご飯タイムだよ」
(シンはハウス、ラクスはケージです)

「判った。じゃ、みんなを呼ぼうね」
(ザラさーん、顔が引きつってますよォ?)




と言いながらキラの額にキスを軽く贈………れなかった。
ベンガルネコが3匹アスランの頭で爪研ぎを始めようとしたからだ。
(こーれーはー!痛い)

キラ(これでもアスランが好き)が真っ青になってネコを止めてくれなければ、
一瞬にしてホラー映像をナマで再現するところだった。
(額から血ィだらだら。見てるだけで痛そうな、アレです)


「こらっ!ダメだよ、そこは爪研ぎ板じゃないってばっ!
ね?カガリ、キガリ、クガリ」
(一種の兄弟愛w)





またもう一つの問題<キラのネーミングセンス>。(アスランのファッションセンスよりマシ)
どうにかならないのか、と以前聞いたことがある。(キラに絡まなければ、一応常識人)
答えは簡単だった。(イヤ別に聞かなくても判るっしょ?)


「捨て犬や捨て猫ってきょうだいが多いから、
別々の名前を考えるの大変だよ(本音)。それに増えるしね(事実)
せっかくきょうだいに生まれてきたんだから、きょうだいらしい名前って、良いよね」
(キラはいい加減。公式初期設定。一体どれだけの方が覚えてるというのか)


ごもっともです!キラたまっ!
(どうせ里子先で新しい名前もらうわけだしね。でも1号2号は悲しいから)
…と言うことで、3匹まとめて捨てられたこのベンガルネコの名前は最初の子がカガリ。
次からはカ行で一文字ずつズレていくのであった。
(…というか、ベンガル…高価いネコだよ……)
え?きょうだいが多い場合(8匹とか10匹とか)、同じ種類が増えたときはどうなるかって?
(多いときで16匹とかー。その子たちが育つとみーんな親とほぼ同じ大きさになるんですよ)


決まっている。カガリ~コガリ(カガリ、キガリ、クガリ、ケガリ、コガリ)まで済んだら次はカギリ~カゴリ(カギリ、カグリ、カゲリ、カゴリ)
でもってカガラ、カガル~カガロ(カガル、カガレ、カガロ)まで使い果たして
初めて次の基本ネームを考える………と。
(発想は判る。駄菓子菓子)




アスランは言う。

「判りにくい」(同感です。激しく)


「えー?見たらすぐ判るじゃない?」
(それはアナタだけです)





区別が付いているのはキラだけです。
(たぶんキラにしか解らないよ)

日本ネコにしたって確かに模様は千差万別だ。
だが、似たり寄ったりであることに変わりはない。
(模様の違う三毛猫が100匹いたとして、キチンと見分けられるか?という話)
そしてそんな細かいことをアスランは性格上まったく覚えられなかった。
(大雑把なO型………というよりたいていの人が覚えられません)


元気がいいのがカガリで、ちょっと恐れさんなのがキガリ、
ご飯って呼んだら一目散に来るのがクガリで………
と説明されて、どこの一般人がパッと見分けられるというのか!
(無理です!キラさん。たぶん割れない限り無理です。そして一般人は割れません)

結局、話し合いの末迷子札(いざ、というときのために付けましょう!)を付けることで決着した。
但し普通に首輪を付けていたら、動いているうちに毛玉ができてしまって、
ブラシかけが大変な長毛種はゆるいドッグタグで。
(うちのフルコートのマルチーズに胴輪なんて付けたら、毛玉で天使の羽根ができてしまいます)
そのタグに種類と名前、そして簡単な連絡先を彫り込んでもらう。
そうすれば素人のアスランでも、札を見れば種類と名前が判るから。
(どんなに慣れていても、予想外の出来事は起きます。愛があるならぜひ迷子札を!)


「シンとラクスには要らないよね?」

「ああ、シンとラクスにはいいよ」


シンは野生動物なので飼うことができない。
(シンはムササビなので飼えませんって!)
ラクス(インコ)は、今のところ1羽しかいないので見間違えることはありえない。



それに、やはりインコやオウムは里子には不向きなので
ザラ家の飼い鳥として迎えることにした。
(せんせーい!約一名被害を被る人がいまーすv)
天気のいい日にキラがラクスを連れて散歩(抱っこですよ?)に行くと
ラクスは本当に嬉しそうにするんだよ、とか言っていた。
(鳥はひなたぼっこが大好きw)


ちなみにシンは夜行性(…のハズなんですがねぇ…)で、昼間にアスランが
キラにスキンシップ(毎度おなじみちょっとエッチぃじゃれあい)を取ろうとしない限り寝ている。

実のところアスランがキラにちょっかいをかけるのが
ナゼ判るのかは未だに不明だ。(爆睡してるはずなのにな)







キラが最初に猫たちを呼ぶ。夕方恒例のご飯戦争が始まろうとしていた。


「ごめんね、アスランはケガすると心配だから、いつものところにね」
(つまり、過去いろいーろあったらしい…です)
キラがアスランのほっぺにキスをする。キラ→アスランのせいで
邪魔はないが、その分視線が最高に痛かった。
(視線の集中砲火!)




(何故だ!何故正式に結婚した俺がこんなに窮屈なんだ)
(それは単純に家が動物でいっぱいだからでもあるのですが…)

アスランの背中は寂しそうだった。
(まだ若いのに、かわいそうに…)


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いいわけ:ムササビは完全夜行性(昼間は寝ています)、鳥類は完全昼行性(夜は鳥目で見えない)なのでキラの防御網は24時間態勢です!
次回予告:ザラ家でお世話になっている、ZAFTのあの方とか、AAのあの方とか。総ざらい動物化…。