第3話

 

 確かあの日、アスランが行政府から帰ってきて…皆で普通に夕食を食べて…他愛のない話をして…そして僕はひどく感傷的な気分になって、彼をベランダに誘ったんだった。

 

 

 話ってったって、ひどくマジメなもので…この国の政治とか、世界の動きとか、プラントの情勢とか……大変だよねって話をしてた。

 

 実際、やっぱちょこちょこ混乱って起きていて……各政府の協力の下、出来るだけ話し合いで解決しようとするんだけど、難しいらしい……みたいなこと言われて。

 

「いざとなったら、最終手段も辞さない…ってことになるかも知れない」

 

 そう聞いた途端、僕の心臓はどきんと高鳴った。フリーダムと…そしてジャスティス……!出来たらそんなことにはなりたくない。

 

 そんな力、使わない方がいい……。

 

 そうだ。僕は強い責任感を感じたんだ。そしたら……いきなり。

 

 

 体が芯から熱くなってきて……アスランはそんな僕を心配してくれて………熱いのに震える僕の肩をずっと掴んでくれてたっけ?ずっと名前を呼び続けてくれてたっけ?

 

 くずおれるように倒れた時、僕の身体は以前の僕ではなくなってた。急に不安になってアスランを見上げた時、彼が何故だか頬を染めて、視線をそらしてたところまではハッキリ覚えてる。

 

 でもその後は………?何だかふわふわして…記憶だってあいまいで…。

 

 

「大丈夫…って言いながら、一晩中キラと一緒だったんだよな」

「……そだっけ?あんま、覚えてない……」

「すっごい不安がっててさ、ずっとぎゅっとしがみついてて……」

「そりゃっ、不安だよ!だって…あるはずのものがなくなって、身体小さくなって……その、胸…出てきて……」

 

「キラ…」

「なんか…訳わかんなくなっちゃって……どうしていいかなんて…わかんなくって………」

「うん。俺も、なんかヘンな気分になっちゃって……で、そのままシちゃったん…「黙れ!このヘンタイっ!」

 

「………キラ?」

「だいたいそこからおかしいと思わない!?僕は男!キミも男!僕とキミとで、そ…その………セ……や、だから…その…シちゃったら、それってフツー同性愛だよねッ!?」

 

「だって、キラ……女の子になっちゃったんだもん。俺は男、キラは女の子。でもってやることやれば、デキちゃうのは当たり前じゃないか」

 

 

「そ……ッ、それにしたって、たった……1回で………………?」

 

 

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次回予告:ド修羅場!余裕のアスランにキラの怒りはおさまらない。今後は大丈夫なのか?

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