第26話



 太陽と、月が交互に回って当日。キラはケロリとしていた。



「ね、キラ、問題のアレは、もういいの?」

 ミリアリアがぼそりと漏らす。


「そりゃぁねぇ、あれだけ事あるごとにしてたら、さすがに慣れちゃうよ。アスランってさ、へたれだと思ってたら案外キス魔だった」





 式そのものはスムーズに進み、キラは何度も色直しのドレスを着せられ、招待客のオモチャになり、ヘトヘトになって帰ってきた。


「疲れたよ〜〜〜」



 そう言って、ベッドにぼふんと転がる。すぐに「お疲れさま」と、声がかかりその主がやってきた。


「ね、アスラン一つ聞いていい?」


「なに?」



「なんでそんな、でっかいたんこぶ作ってきてんの?」

「あ!あ…ぁ、コレ?……まぁ、いろいろ言われて……」





以下アスラン回想シーン


「よ!このエロ男!問題のぶっちゅ、長かったじゃねぇか」


 すぐにハリセンが飛んでくる。

 スパーーーン、と盛大な音が響いた。



「お前の脳みそは、いかがわしいこと以外は考えられんのか!」

「いや、あれはちょっと迷ってて……」


「キサマもマジメに答えるな!」



「迷う?なにを?キラちゃんに誓いのキスをするだけだろ?」


「や…だから、舌を入れるタイミングって…いつなんだろうと思ってて……」



 マジメにそう言ったとたん、アスランは男性陣にボコにされたのであった。


「だって、本にそう書いてあって………」


「「アホかキサマは!」」



「あ〜いうもんは男の欲情をそそるように、わざとエグい表現してるだけだろうが!あ〜もう!誰が本気に取るか、なんて思ってたら、目の前にいたよアンポンタンが!」


以上、回想シーン終了。





 あらぬ方向を見ながら、しばらく乾いた笑いをしていたら、キラが気遣ってきた。


「あー、いいよ別に説明してくんなくても。どーせ聞かない方がよかったって話だろうから…」

「キラ…それ、全然フォローになってないぞ」



「あはははは。ま…子供の頃から一緒だったアスランのことだからね。よく知ってるよ」


「俺も今日は疲れちゃったな。寝る?」

「うん」



 そっとベッドに入ると、キラがアスランの方を向いてきて、でもうつむいたまま消え入りそうな声で呟いた。



「あ…あ、のさ、僕さ、ひどいこと言っちゃったけど、その…アスランのこと…信じてるからさ……」


 アスランはしばらく呆然としていた。そしてふるふると頭を振り、ほほえみを浮かべながらキラに覆いかぶさる。



「俺は……愛してるよ」

「なんでそんな気障なこと、カガリに言わなかったのかなぁ?」



「なんだかんだ言って、俺のなかにはずっとキラしかいなかったからだろうね」


「気障すぎるよ!ね…アスラン。これってプロポーズ?」



「そのつもり」



「………。いつも言ってるけど、順序逆だよ………」


「悪かったな……」



 ほの明るい月明かりのなか、二人の影が、そっと真新しいスプリングに沈んだ。


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言い訳v:結婚式なんてよくわかりません…のでテキト〜にサラッと流す秋山(冷汗)これにて「ワンデイツーデイ」本編は完結です。ここまでおつきあいいただきありがとうございました。

次回予告:お待たせしました。予告通り「アスキラ痴話ゲンカ」をお送りいたします。ちょっと強くなったキラと、本性大爆発のアスランの会話をお楽しみ(?)下さい(大笑)

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