第23話



「やっほ!キラ!マリューさんに聞いたらこっちに引っ越してきてるって聞いたから…って、あんたどうしたの?腰が引けてるわよ?」


「ま…まぁ、いろいろと訳ありで………」



「あら!ミリアリアさん!お久しぶりですわ。とにかくお入り下さいな、全てを説明いたしますわ」


「あ、ラクスさん!久しぶり……?ちょっとキラ」

「………はぃ」



「あんたそれ、どう見てもマタニティよ。なぁに?妊娠でもしちゃったの?」

「え?なんで解っ…「え…?私、冗談で言ったのに……」





 携帯電話に着信が来た。面倒くさそうに開き、相手を確認してあわてて電話に出る。


「なーお前さぁ、今どこにいんの?俺、オーブ市内はそんなに詳しくないんだけど……ってか、こんな大雑把な地図で解れってほうが無理なんじゃねぇ?」


 電話の相手はディアッカ・エルスマン。



「お前、今どこにいる?」


「空港!めんどくさいからさぁ、お前に迎えに来てもらおうと思って。そんほうが早いだろ?」



「あ〜〜〜俺今取り込み中!市内にいるからここまで来い!それから送ってやる」


「ええ〜〜〜〜〜っ」



「お前の携帯で位置確認取れるだろ!」


「くそったれ!相変わらず人使い荒ぇんだから!昼飯おごれよ」





 1時間後。アスランの元にディアッカはやって来た。イザーク・ジュールもついてきた。



 そして、持ってきた雑誌(よれたオーブ観光ガイドブック)で思いっきりアスランの頭をひっぱたく。





「な〜にやってんだよ、オマエ……」


「キサマ!なにをこんな所でいかがわしいものを読んでる!?さっさと出んか!俺たちまでいかがわしく思われるだろうが!」



「ま、俺はべつに否定はしないけどね。イザーク、アスランと話つけるから別んとこ行っとけよ」


「ああそうする!なるべく早くしろよ」





「………で、なんでオマエがそんなもん読んでんの?」

 アスランがまじめくさって読んでいる雑誌……それは大っぴらに女の子には見せられない内容のものであった。



「いや俺にも要るかなー…って思って……」

「要らねぇだろ?カガリちゃんはそんなコトされたって嬉しかねぇと思うけど…」



「いやぁ……キラ………」


 そう呟いたとたん、ディアッカが目に見えてズザザザーーーーーッと、引いた。





「……?ディアッカ?」

 ディアッカは顔面蒼白だ。


「あぁああのさ、俺……自分の友人にホモ野郎持った覚えないんだけど………」



「なに言ってんだ?俺、結婚するんだよ」



「カガリ、ちゃんとだろ?」

「いや、キラ」



「オマエ、頭でも打ったか?」


「ここんとこ殴られっぱなしだけど、正気だぞ。俺はキラと普通に結婚するんだ」





「……………。アスラン、百歩譲ってキラが女の子だったとしよう。それでお前が彼女と結婚するとしよう。それで、なんでそんな偏った知識がいるんだ?」


「それだよ!聞いてくれディアッカ!キラとの結婚も約束してある、マンションにも引っ越した。ところがキラにキスしようと思ったら、身体が動かないんだ!」



「そりゃキラが男だからだろ?」


「違う!キラはちゃんとした女の子!それが、目を閉じてもらったらコレがムチャクチャ可愛くてさぁ…。何だかキス一つが冒涜のように思えて……あんなに可愛いのに…俺何も出来なかった………」





「……………」


 ディアッカは迷っていた。この話は本当なのか?はたまたコイツが精神病院送りになるほど壊れてるだけなのか?



「とりあえず病院へぶち込め!」

という容赦ない一言が背後から聞こえてきた。


第24話へ→

言い訳v:お待たせしました(ぇ)「この設定でしか出てこないディアッカのセリフ」です。だって最初からキラちゃん女の子だと、ディアッカ引かないじゃん…。ミリィとイザークを出したのは、ディアッカつながりだから。

次回予告:ごめんなさい10代の方々には、判りにくいギャグが一部あります。そんな秋山はもう「メモを取らなきゃ覚えていられないお年」なので(笑)次回「へたれアスランと百合の花園」←違う違う!

◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*

お読み頂き有難うございました。ブラウザバックでお戻り下さい。