第21話
「君はどこまで僕の気持ちを逆なですれば気が済むのかなー?」 「ちっ違うっ!」 「この期におよんで違うと言うの?説明してもらおうじゃないのさ!」 「キラ、落ちついてちゃんと聞いて欲しい。結婚式が近いんだ。…ほら、そうなるとみんなの前でキスしなきゃなんないだろ?」 キラはハッとなる。 「そ、ういや、そんなことも言ってたね……。それ、いつ?」 「次の日曜日…」 「四日後じゃん!ちょっと待ってよ、どうしてそんな大事な話があとからあとから出てくるの!」 「や、だって急いでたし…キラ、何言っても聞いてくれなかったし……」 「君が訳のわかんないことせずに、普通に話してくれりゃ問題なかったじゃん」 「ごめん……」 「ごめんじゃないよ!あのね、何でも早けりゃいいってもんじゃないんだよ!」 「俺だって今日聞いたんだ。今朝、ラクスからの電話に俺が出なかったから、昼過ぎに携帯にメールを送ってきてて、俺夕方まで気づかなくて………」 「ラ……クス、が?」 「うん。教会の予約から、キラのウェディング・ドレスから、招待客の招待までもう全部済んでるって」 「ホントにラクスから?ウソだ……ラクスがそんなこと………」 「いや間違いなくラクスからだよ。キラを幸せにできなかったら、即刻キラを引き取りに来るってつけ足してあるし……キラ?」 「僕……本当に、君と結婚するんだ?」 「……うん。ね、キラ…俺を男にさせてよ」 「アスラン……」 「確かに俺はバカだし、その…キラとシちゃったことは考えなしだったとは思うけど、でもちゃんと責任取るし、キラを哀しませたくないから。こんな事になっちゃったけど、いままでみたいに笑ってて欲しいなって、思って………」 「……………」 「だからさ、冗談なんかじゃなくって、その、新婦がキスを嫌がってたら、格好悪いだろ?」 キラは想像する。 「………確かに」 「こんな気持ちのままじゃ不安だったし、その、できるかどうか確かめときたくて…」 「ねぇアスラン」 「何?」 「君……いっつも思うんだけど、順番逆なんだよ」 「ごめん…」 「先にシちゃって子供作っといて、新居も用意して引越も済ませて、結婚式の準備もして……それから、ファースト・キス?遅すぎるよ!」 アスランは泣きながら笑っていた。 「ごめん。じゃ、さ、キラ……瞳、閉じてて」 言われるままキラは目を閉じる。その天使のような可愛らしさにアスランは釘付けとなった。 5分経過……。 10分経過…………。 20分経過………………。 「……………?……何してんの?」 完全に固まったアスランにキラは思いっきり怪しげな視線を投げかけていた。 第22話へ→ 言い訳v:へたれバンザイ(なんのこっちゃ)あれだけフラグをたてて、その効果がやっと出てきました。キラの気持ちがかなり傾いてきたので、もう一方はへたれでもいいのさ♪ |
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