twelve*twelve

<第6章>女王即位


最終話

 

 そこにはクドクドネチネチ一からこの国のあらましを説明され、あまりの退屈に散々居眠りをしたキラの苦痛と疲弊が導き出した

<考えるのも面倒くさい>


という結果がまざまざと反映されていた。そうしたキラの苦慮の結果、今度は重臣たちのほうが『六法全書』の解読に右往左往する羽目になり、キラの思惑通り<君主の教え居眠り紀行>から解放されることになった。





 当然といえば当然、重臣たちやアスランはその後国民の為に、自国語で書かれた法律の制作に奔走する羽目になる。


「き…キラさま……。チョコチョコ判らないところが………」
「んーどこ?僕に解ればいいんだけど」

「お恥ずかしながら結構沢山。例えば株式の電子化って………ナンですか???」
「んー?僕だって18年しか生きてないもん。判んないこと沢山あるよ。けど、そういう時はまたアスランの出番だねっ」

「え?俺、またキラの役に立てるの?」


 超基本事項を再確認しましょう。基本的にキリンは主君の役に立つことが大好きなのです!ただ、アスランに限って言えばキラの発言に対し、欲望一直線すぎて政治的判断をしないから問題なのです!でもそれだから利用できr………モゴモゴ…。


「立てる立てる!頑張るアスラン大好き!今度は、このメモを持って行って来て」
「うん、判ったぁw」

 アスランはキラの為に向こうの世界との間を足繁く往復する。



「さ…さすがはキラさまですな。誰にも手の付けられなかったアスランをこうも簡単に手懐けられるとは…」
「完全に懐いてますな」

「ただ問題なのは、アスランがひたすら僕の身体狙いだって事なんだよねー」


 そのことに思い至ってみんなでため息を吐く。



「アスランがお遣いに行ってるこの間が僕にはとっても平和だよ」

「さようでございますな。さ…変態の居ぬ間に解読を進めましょう。えっと…刑法の参考書がありましたかな?」
「副宰相、ここに『刑法の優しい読み方』と『刑法の判例と読解全集』がございます」

「ああそれそれ。それを持ってきてくれ。すまん、それと『目指せママさん弁護士!やさしい刑法』の1〜5巻も」

 キラの勘は見事に当たった。彼女は重臣たちを呼び、アスランに持ってこさせた1冊の分厚い本を見せながらただ一言、こう言った。

「コレを使えば楽なんだよ」





 ………で、合議の末決まったこと。

<自分たちの頭で苦しみながら法律を一から構築するのではなく、あらかじめ出来たものを土台にすれば楽じゃないか作戦>

 これだと鬱陶しく無駄な議論を重ねることなく、規則的な土台が出来る。既にできあがった六法は法律と法律の重なる部分や、抜け穴もあらかた織り込み済み!その上でこの国の風土に合うようなものを取捨選択し、チョコチョコ作れば楽なのだ。
 キラのいた世界に良いものがあるのだ。利用しない手はない。一から作り上げるほどヒマもないし、面倒くさいことをする気にキラも重臣たちもなれなく、意見は大筋で一致していたのだった。





「ふっふふふ。その為には使えるモノ(アスラン)は徹底的に利用しないとね…」

「き…キラさま………」


 そこには今までの純真無垢75%なキラは居らず、都合によって白と黒を使い分ける小賢しい………ゴメンナサイ逞しい君主が誕生した。デュランダルの恐れていた通りになったのである。





 結果、傾国は盤石の国力と平和を勝ち取る。


 え?そんなことやってて主君とキリンの関係は大丈夫かって?

 どうやら長〜いながぁ〜〜〜い月日の間に、二人の間に節度ある愛が芽生えたらしいと、風の噂に流れている。週一以下のペースで一日2回まで!と、キラが厳格に決めているとか何とかいう事実は………この際隠しておいた方が美徳だろう。

だぶんへ戻る→

いいわけ:無駄に長いお話(しかもWパロ)を最後までお読みいただきありがとうございました。結局アスランの有能ぶりを描くシーンは入れませんでしたが、彼は物知りなのでココでのセリフ以外でキラに色々助言等をしています。最後まで楽しんでいただけていたら幸いです。


お読み頂きありがとうございました。ブラウザバックでお戻り下さい。