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4'th stage 後編
会えて良かった………などとキラに言われアスランの心臓は跳ね上がる。だが、次の瞬間一気に萎えた。 「ちゃんと返却していただかないと、次の方が借りられませんからね」 間違いなく意味が解っていないので、アスランは彼女の肩口に顔を埋めながらささやいた。 「好きなんだ…」 「好きを仕事にできるって、素敵ですよね」 ち・が・う!!! 最強天然MAXなキラにアスランはダイレクトに告白する。 「寝ても覚めても、キラが好きで堪らないんだ。だから…俺の恋人になって欲しい……」 抱き込んだ腕から、キラの身体が硬直したのが判った。 「でも…ザラさんとはたったこないだお会いしたばか…「違う!違うキラ!俺たちは何度も出会ってる!何度も話して、デートして…キラが俺のことどんなに忘れてても好きだから」 首筋に涙が当たった。 「ごめんなさい。僕…記憶力がたぶん人と違うんです。だから…お気持ちは嬉しいんですけど、今は覚えててもたぶん1週間後は忘れてるから」 「それでも良いっ!」 深夜のマンションで、アスランは声の限りを尽くして叫んだ。 「キラが忘れていても何度でも目の前に現れる!どんなに思い出せなくても、何度でも告白してあげる!頭で思い出せなくても、身体で覚えさせてあげる!」 「……ザラさん…」 「アスラン、って呼んで」 「…アスラン……さん?」 「それでも俺は…今この瞬間だけでも、君と結ばれたい………」 沈黙が酷く気まずかった。 「本気……なんですか?」 不安そうに見つめるキラに、言葉で答える代わりに彼女の唇を奪った。そしてそのまま彼女を抱っこし、まっすぐに部屋に向かう。ベッドに投げ出されきょとんとしているキラに覆い被さると、そこで初めて彼女は慌てだした。 「あぁあああぁのっ…ザラさん?」 「名前で呼んでよ」 「あ、アスランさん…ところで、本は?」 アスランがセンターテーブルを指さす。その先にしおりの挟まれた図書館の蔵書があった。 「お…お仕事………は?」 「明日の朝出発。1週間スタジオに缶詰」 「僕……は?」 「キラは…そのまま俺に縋りついててくれればいいから…」 すぐにアスランの身体がベッドに沈む。 次に目が覚めたのは日曜日の朝で。寝坊したキラに散々腰が重いとか言われたが、そんなことどうでも良かった。朝イチで愛車でキラを彼女の部屋まで送り、上機嫌で仕事場に向かった。 その頃キラは、自室のベッドの上で…途方に暮れていた。 「……………しちゃった………」 駄文トップへ戻る→ いいわけ:手ェ早いですねー(爆)こうでもしないと覚えてくれないんじゃないかと焦ったザラさんの暴挙(笑) |
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