開設4周年記念だぶん

そのき込み系!

<後編+α>



「だって絶対アスランが悪い!」

「お前の手段も褒められたものじゃない」


「結局半月もしないうちにばれちゃったし」
「当たり前だ」

「大目玉食らっちゃったし…」
「当・た・り・前・だ!!!」


 だから…といいながらキラは姉にすがり直す。全く懲りていない。
「カガリからそれとなく聞いてきてよぉ」

 すると速攻で断られた。
「イ〜ヤ〜だッ!」


「僕はもう万策尽きました!」

「私はもうこれ以上アイツに呪われたくない…」


 あのギロリと睨まれる視線が痛い。特にキラが絡んだ場合アスランの勘違いは止まらなくなる。



「呪ったりはしないと思うけど…」
 根には持つだろうけど………。



「私やラクスでさえ牽制されるんだぞ!もう観念してサッサとくっつくなりなんなりしろよ、お前ら」
「だってまだ学生だよ?早すぎると思わない?」

「二十歳越しゃ大概のことはいいんじゃないか?ミリィとトール、フレイとサイ…、今時珍しくないだろ?」


「……………一応僕にもこだわりがあるんだよ…」
「どんな?」
 至極自然に割り入った声にキラは気付かなかった。ぎょっとして振り返ったカガリに<彼>は人差し指を立てて口元に当てたままウィンクして見せた。黙ってろ、と。



「卒業まではちゃんとした学生生活楽しみたいんだよね。アスランってさ、きっと手が早いから僕なんてすぐに美味しく食べられちゃうと思うんだ」
「ふんふん…」


 キラの後ろで、
(えーーーーー!?)
(何か問題でも???)
(威張ることか!)
 というヒソヒソ話が始まる。



「時間のあるうちにプログラム思いっきりやりたいし、そりゃたまにはアスランや友だちと旅行だって行きたいよ?就活だってやらなきゃいけないし、海外に卒旅だって行きたい!」

「そういうことか…」


「うん。だからね、そういうことは卒業してからで充分だと思うんだ。だって…見てたら判るだろ?あのアスランだよ?絶対アッチも三拍子揃ってるって!」


 キラは未だ気付かない。



(三拍子?)
(知らないのか?)

(……………。いや、いい。何となく判るような気がする………)
(イザークは教えてくれなかったのか?意外だな)


(結構です!てか、お前とアイツを一緒にするな!





「だから、絶対アスランの悪巧みを阻止して、結婚とか赤ちゃんとかそーいう大人なことは卒業してからにしたいんだよ僕は」
「なるほどね…」

「だから協力して、カガリ」



 キラが振り向くのと、

「じゃぁ卒業まではちゃんとゴムするから」
 と言うアスランの目が同時に合った。



「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



「気付かなかった?キラ…?」

 アスランがニヤリと笑った次の瞬間、キラはムンクの叫びのようになったまま、真っ白に固まっていた。





「というわけで無事キラの本音も聞けたことだし、感謝するよカガリ」

「え?あ……ぁ……う???ん…」


「話は済んだ?なら、キラ持ってくから」
 当たり前のようにアスランはキラを姫抱きに抱えると、呆然とするカガリをほっぽってサッサとキラの部屋から連れ去っていった。



 パタン……。と小さく、玄関ドアの閉まる音がカガリの脳裏で鳴り響いた。


言い訳v アスランは思い立ったら誰にも相談せずに話を進めるけれど、一人でネチネチ考えるもんだから結構ちゃっかり者なのではないかと思いまして。当たり前のようにアスラン部屋からキラを「持っていって」ますが(笑)ここはキラの部屋。でもカガリがいるから戸締まりとかは全部彼女に押しつける気です最初から。嫌な野郎だ(爆)
次回予告 前後編とか書いておきながらこの話にはまだ続きがあります。追記まで今しばらくお待ちいただけると幸いです。





<エピローグ>


 ところ変わってアスランの借りている部屋。

「いつからいたの!」

「途中から。いつまで待っても待ち合わせ場所に来ないから」
「……………ぁ…」


「やっぱり忘れてたな?」
「……ごめん…」



「じゃ、その埋め合わせに再来週はみっちり俺に付き合って貰うよ」
「再来週!?」

「来週から冬季休業。何か問題でも?」
「アスランがここ最近僕の目をかいくぐってコソコソ企んでた悪事以外は、何も問題ありません」



「たまには素直に俺に甘えような♪」


「………参考までにお聞きしますが、再来週は一体どちらまで?」

「温泉旅館、5泊7日、もちろん二人っきり
「ああそれか、僕の嫌ぁぁあぁ〜〜〜な予感は………」


「判っていただけてとても光栄」
「………僕の希望は聞いてくれないの?」



「だから、ちゃんと妥協するって言っただろ?こういう事は特に失敗したくないだろ?」

 まじまじと見つめられると、キラの顔に朱が走る。そして当たり前のように彼の顔が近すぎる。





「大事なことはちゃんと言ってくれなきゃ、判んないよ…」

 キラの顔に影を作っている彼は苦笑しながら言った。


「うん、実はね…キスだけじゃ全然物足りないんだ」
「それは………なんとなく判ってた」
 小さいときからの、長きに渡る付き合いだから。アスランなりにキラがちゃんと理解できる年齢まで待っただろうし、そろそろ…という気持ちも知らない訳じゃなかった。子供じみた恋愛関係を卒業して大人の世界に一歩を踏み出したいという気持ちは年相応の成長だ。


「けど、キラの言うことももっともだ。これからは計画は二人で練らなきゃ…」





「アスラン知ってる?キスはね、二人いなきゃ出来ないんだよ」

「うん、キラの言う通りだ」

 それからはもう、まともな言葉にならなかった。


言い訳v おかげさまでこんな駄サイトも4年続けてこられました。ひとえにご訪問下さるみなさまと現在進行形で続いている萌えのおかげであります。有り難うございます!少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

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